目標を持たない生き方

08/05/11

今年の6月、ポートランドで参加したWorld Domination Summitのスピーカーの一人にLeo BabautaZen Habitsという有名なブログの著者)がいました。彼は、その昔はヘビースモーカーで太っていて借金まみれだったのですが、あるとき一念発起して少しずつ生活を変えていき、今では借金はすべて返済し、シンプルな暮らしをし、マラソンを走るベジタリアンになり・・・という大変化を遂げました。その変化の過程を書いたブログが大変な人気になったのです。そんな彼のプロフィールについては知っていたので、話を聞く前は「どうやって習慣を変えるのか?という話だろう」と予想していました。

実際に講演が始まると、予想通り「新しい習慣を取り入れるには」という話もしてくれたのですが、それとともに、今自分自身が向き合っているチャレンジのひとつとして「目標を持たない生き方」について語っていました。壮大な目標をうちたて、そのためのステップを細分化して毎日の”To Do(やること)リスト”にして・・といった、自己啓発セミナーでおなじみの目標達成手法とはまったく違った提案に少し意外な感じがしました。Leoは、「これといった目標を持たずに、毎日『これをやりたい!』ということだけをして生きることを目指している」と言っていました。

彼の講演を聞きながら「ふーん、そんな風に目標を持たないで好きなことだけやって生活して行けたら、それは確かにいいよね・・」と思ったことは確かです。ただ、今まで私が慣れ親しんできた考え方、つまり「やりたいこと」を決めて、達成したい時間軸を決めて、そのためのステップを細分化して着実にやっていく・・・というのとはあまりにも違う考え方だったので、その時は「そういう考え方もあるだろうが、自分はあまり関係がないな・・」という感じでそれほど真剣にとらえていませんでした。でも、その後7月に入ってから体調を崩し、それまでやっていたように「朝から晩までバリバリと課題をこなす」ことができなくなってから、ふと彼の言葉を思い出すようになりました。

朝起きてから「今日ひとつだけ片付けるとしたら何をするか?」と問いかけ、それだけできればとりあえず「よし」としてみる。ひとつといわず、幾つもこなしたいのはやまやまなのですが、体調というある意味どうにもならない制約がある時、ひとつだけを目標にし、それができれば「今日はOK!」と思うのか、それとも「ひとつしかできなかった・・」と自分を痛めつけるのか、どちらが精神衛生上より良いのかどうかは考えるまでもありません。ひとつでも達成できたことに気分を良くし、感謝し、でもいつかやらないといけないんだけど・・ということはとりあえず紙にでも書き出して「よし」としておく。そのくらい気楽に構えていれば、予定通り出来なかったことに対するプレッシャーのためにますます出来なくなることだけは免れそうです。

Leoによると、「毎日ひとつだけ目標をもつ」ということは、「まったく目標を持たない」の一歩前の段階なのだそうです。体調による制約という、ある意味不本意な状況になったことによって、図らずも「毎日これだけはやりたいと思うことだけを行う」という方向には進んでいるような気がします。多くの人にとってのチャレンジは「毎日やりたいと思うことだけを行う」ということでしょうが、このあたりは、ライフハック的な考え方と、いろいろな「法則」が必ず言及する「感謝の気持ち」を持つことで対応できそうです。もし「やりたいこと思わないことだけで毎日が構成されている」という場合には、このスティーブ・ジョブスの講演を見ることをお勧めします(このクリップは講演の後半部分です)。

Leave a Reply